派遣ってどんな仕組み?

ここでは、派遣の仕組みを見ていきます。

 

Q1:そもそも派遣って何?
労働派遣では、派遣労働者(派遣スタッフ)は派遣元(人材派遣会社)と雇用関係を結ぶため、賃金は派遣会社から支払われますが、実際に働くのは派遣先の企業で、仕事に関する指揮・監督は雇用主である人材派遣会社でなく、この企業から受けることになります。派遣先の企業は人材派遣会社と労働者派遣契約を結び、これに基づき、スタッフを企業に派遣しています(図A)。また、労働派遣業を行う人材派遣会社は、都道府県の労働局に許可を受けなければなりません。求人情報などに、一般人材派遣事業免許:般 xx-xx-xxxxと明記されている会社は、許可を受けている業者です。
これに対して、正社員、アルバイト、パートの雇用関係では、労働者が雇用主と直接労働関係を結びますから、雇用主と働く企業は同じです。また、請負契約(アウトソーシング)によって行われる労働の場合は、労働者(スタッフ)は請負業者と雇用関係にあり、スタッフは請負業者の指示・管理の下に働くという意味で、派遣とは異なっています(図B)。

図A:労働者派遣

図B:請負契約(アウトソーシング)
 

Q2:派遣のメリット・デメリット
ここで、派遣勤務を正社員と比べた場合のメリットとデメリットについて考えてみましょう。

メリット
  • ライフスタイルに合わせた仕事ができる:週3,4日、1日4時間で、自宅から通勤30分以内……など、正社員ではあり得ない希望が通ってしまうことも……。また、休日出勤、サービス残業を強いられることもありません。
  • 仕事の内容を選べる:たとえば、英文PC業務、外国語のテレフォンオペレーター、外国人秘書など、英語が活かせる職種や外資系への派遣の仕事を選ぶことができます。派遣会社によってはスキルアップのトレーニングを併設しているところもあり、スキルを伸ばすチャンスが与えられます。
  • 様々な職場を経験できる:就職するのは難しい大手外資系企業へも、派遣なら出入りできるチャンスが。同じ職種でもいろいろな職場や企業を経験することで、スキルの幅が広がったり、「データ入力で雇われた先が人事部だった」など、派生的に人事業務の経験を積めるなど、別の職種でのスキルアップにつながることもあります。「マンネリ職場に退屈する」ということがないのが派遣の特徴と言えるかもしれません。
  • 時給が高い:ボーナスがないというデメリットがある代わり、時給にするとけっこう魅力的な報酬が期待できるのもメリットといえるでしょう。
デメリット
  • 身分が不安定:「登録してもすぐに仕事の紹介がない」、「契約期間で打ち切りになり、すぐに次の仕事が見つからない」ということも多々あり、雇用は比較的不安定といえます。ただ、いったん契約したら期間中に一方的に契約が打ち切られることはありません。
  • ボーナスが出ない、正月やゴールデンウィークなど休みが多いと収入がダウンする:同じ仕事をしていても正社員にはボーナスが出るのに、派遣には出ないという差が出てきます。また、祭日や会社の休業などは、自分が休みを申請しなくても休日になるので、その分収入がダウンしてしまいます。このため、時給にすれば比較的高額なのに、年収は社員より低い、という結果になることも……。もっとも、その分自分に合った生き方ができるので、最終的にどちらを取るかはその人の生き方ということになるでしょう。
  • 昇進や昇格がない:派遣社員は契約通りに仕事をすることが前提ですから、仕事はできて当たり前。一所懸命会社に貢献しても、その努力が認められて昇格することは期待できません。
  • 責任のある仕事を任せてもらえない:必ずしもそうとは限りませんが、企業側は本業のコア事業以外の業務を派遣スタッフでまかなう場合が多く、結果として派遣スタッフは責任のある仕事ができないことが多いと言われます。キャリア志向の人にはフラストレーションがたまるかもしれません。
 

Q3:派遣の雇用契約はいつから?
実際に派遣スタッフが人材派遣会社と雇用契約を結ぶのは、派遣先が決まってからです。登録しただけでは契約は発生しません。

 

Q4:派遣社員の社会保険の適用は?
派遣元は派遣先に労働者が健康保険、厚生年金保険、雇用保険の被保険者になったことについて、労働省令(労働者派遣法施行規則)に基づいて通知する義務を負うことになりました。

 

Q5:紹介予定派遣とは?
将来的に企業が派遣スタッフを直接雇用する「予定」がある派遣を、紹介予定派遣といいます。紹介予定派遣の派遣期間は6ヶ月以内で、働き始める前に、紹介予定派遣であることが明示されます。派遣先企業は契約期間中に派遣スタッフの能力や技能が、直接雇用するのにふさわしいかどうかを見極めます。また、派遣スタッフも派遣先の仕事が自分に合うかどうかを見ることができます。2004年の労働者派遣法の改正で、人材派遣会社は、派遣の契約期間が終了する前でも、直接雇用の紹介ができるようになりました。

紹介予定派遣の仕組み (図)